細菌や真菌(カビ)などの微生物は、我々自身を含め、身の周りのあらゆる表面や隙間に生息して、各々独自の生命活動を営んでいます。

例えば、毎日特に気付かず踏みしめている土壌1 g中にも1~10億以上の微生物が生息し、ヒトの身体にはヒトゲノムが有する遺伝子の数の150倍以上の遺伝子を擁する微生物集団が共生して、ヒトが生物として機能する上で不可欠な役割を果たしています。

当研究室では、農業環境や日常空間に生息するそんな微生物を身近な資源として新たに探索し、拮抗微生物を利用して作物病害を防除する生物防除(probiosis)や、作物に共生する有益な微生物の機能解析の他、農業生産や日常生活に関わる微生物の知られざる有益な機能を最大限に活用できるように環境を制御する方法(prebiosis)を研究することで、環境保全と資源循環に基づいた高生産性の作物生産技術の開発に取り組んでいます。

また研究を展開する上での「ヒント」は、必ずしも日本の農業や日常から見出されるとは限りません。以下に当研究室で現在展開している研究課題の他、過去の課題で現在は休止中の研究も含めて紹介します。