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昆虫は解放血管系からなり、その発達はホルモンによりコントロールされています。テーマの1つはこのホルモンによる成長の制御がどのように行われているかを分子レベルで明らかにし、応用することにより昆虫の成長を制御しようというものです。現在昆虫ホルモンにより発現を制御され、異なる発現パターン・ホルモン応答性を有する数種クチクラタンパク質(CP)遺伝子をクローニングし、翅原基の培養系と遺伝子銃による遺伝子導入法を用いてCP遺伝子の発現制御領域のプロモーター解析を行っています。これらの解析から、発現制御領域に転写因子が結合することにより遺伝子発現の制御を行っていることを明らかに出来ました。

もう一つのテーマは、昆虫の変態がどのような条件でもたらされるか、体の大きくなることや、栄養を取ることにより分泌されるシグナル分子がどのように働いて変態がもたらされるかを調べるものです。翅原基細胞の細胞周期を動かす遺伝子の発現、代謝を司る脂肪体で栄養摂取により発現し、体内に分泌される成虫原基増殖因子を指標に進めています。

実験手法としては、昆虫ホルモンに感受性の高い翅原基を体外培養できるシステムを用いて、遺伝子銃による遺伝子導入、ルシフェラーゼ遺伝子を用いたレポーターアッセイを組み合わせたプロモーター活性評価が中心となります。昆虫の中では比較的大きく、組織の取り扱いが容易で、ゲノム構造が明らかになり、突然変異を多く有するカイコを用いているのが強みです。

最終的には、様々な遺伝子の転写調節領域、転写因子を解析し昆虫の発育制御のメカニズムを分子レベルで解析し、昆虫の体の大きさや変態への移行がどのように決定されているのかを明らかにし、国内外に発信し昆虫の機能利用、昆虫制御に貢献したいと考えています。