植物育種学研究室

第133回日本育種学会

第133回日本育種学会が九州大学で行われました。

 

今回は2題の研究発表(口頭2題)をさせていただきました。

 

Diplotaxis erucoides 細胞質をもつBrassica 栽培3 種における雄性配偶体形成」

☆藤田 祥明 1,2, 沈 受炫 1, 大西 孝幸 3,4, 房 相佑 1

(1 宇大・農, 2 農工大・院連農, 3 宇大・地連センター, 4 JST・さきがけ)

 

植物において、外来性オルガネラゲノムを導入することで内在性核ゲノムとの不和合により雄性不稔を生じることが知られており、我々は、外来性オルガネラゲノムの導入によりアブラナ科作物における細胞質雄性不稔系統の作出を行っています。

その一例としてアブラナ科近縁野生種であるD. erucoides のオルガネラゲノムをB. rapa (ハクサイ類、AA ゲノム)、B. oleracea (キャベツ類、CC ゲノム) およびB. napus (ナタネ、AACC ゲノム) に種属間交雑、連続戻し交雑により導入しました。

導入したところ、核ゲノム背景によって雄性形質の表現型が異なりました。

  1. rapaB. oleracea では雄性不稔でしたが、興味深いことに、B. napus では雄性可稔を示し、その花粉を用いることで後代を作出することができました。

そこで本研究は、異質倍数化によりなぜ雄性不稔が回復するかに着目して、Brassica 栽培3 種における雄性配偶体形成を比較することで花粉稔性の回復メカニズムの解明に取り組みました。

 

「ダイコンのNWBオルガネラゲノムとBrassica rapa核ゲノム間の軋轢」

☆高山 大輝1, 赤石 和也1, 沈 受炫1, 大西 孝幸2,3, 房 相佑1

(1.宇大・農, 2.宇大・地連センター, 3.JST・さきがけ)

 

ダイコンにおいてF1 品種採種に有用な雄性不稔性を示すNWB 細胞質をB. rapa に導入すべく種属間交雑、連続戻し交雑を行いました。しかし、何度連続戻し交雑を行ってもB. rapa の核置換系統(2n=20)が得られず、染色体が1本添加された系統(2n=21)のみが後代として得られました。

そこで本研究は、1本添加された染色体がダイコンのどの染色体に由来するのかSSR マーカーによるPCR 解析を行うとともに、添加染色体系統の受精前後の障害を明らかにするため雌性稔性と胚発達について調査しました。

 

懇親会では豚骨ラーメン、明太子を始めとする博多名物に舌鼓しつつ、他大学や研究所の方々とさまざまな情報を交換する良い機会となりました。

 

学会も終わり、翌日に飛行機までの空き時間に志賀島へサイクリングしました!

美味しい海鮮丼を食べ、

帰ろうとした時、なんと自生しているハマダイコンを発見!

思わぬ発見に足を止め、観察していたら危うく飛行機に乗り遅れるところでした、、、

 

次回は、秋に岡山大学で行われるようです。

 

より良い発表となるよう精進してまいります。

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