千葉県では、キョンが野生化し、個体数が激増しています。もともと日本に生息していなかったキョンが日本で野生化すれば、日本の生態系は崩れてしまうでしょう。そこで千葉県では、キョンの駆除を行っています。人間が連れてきた動物を邪魔になったからと言って駆除するなんて、人間は身勝手です。ですが、駆除は必要な措置でもあると思います。私達は、研究や教育に活用しようとしています。駆除された個体を単に焼却処分するのではなく、知的財産を生産するために活用するのです。今回は、千葉県で駆除されたキョンを研究用に提供してもらうため、千葉県を訪れました。
私達が訪れたのは、房総半島のほぼ中央に位置する市原市という場所です。東京からアクアラインを通り、木更津から東にドライブをしたことになりますが、海も山もある自然に恵まれた魅力的な場所でした。これだから、野生動物がたくさん生息しているのだと感心しました。動物にとっても心地よいのでしょう。日本のイノシシやニホンザルだけでなく、外来種のキョンも増え、アカゲザルも増えています。千葉県の担当の方によると、キョンは分布域を拡大させるときに、オスが最初に新しい土地に入るのだそうです。オスの方が行動権が広いということでしょうか。また、野生化したアカゲザルはニホンザルと交雑し、千葉県の多くのニホンザルには、アカゲザルの遺伝子が入ってしまっていることも聞きました。自然の状態では交雑しなかった別種の動物が交雑すると、場合によっては、新しい第3の種が形成されることもあります。やはり、身勝手ではあるが、外来種の駆除は行わなければならないのかもしれない、と改めて感じました。
野生動物の勉強をしながら、道中は千葉県を楽しみました。今日は天気もよく、アクアラインに入る手前(東京側)から富士山を眺めることができ、幸先の良い旅でした。海上のサービスエリア「海ほたる」の回転寿司は最高でした。木更津市の「うまくたの里」という道の駅では、ピーナッツや醤油、塩レモン関連の商品が所狭しと並べられていて、見ているだけでも楽しかったです。馬来田駅は、木造のレトロなかわいらしい駅で、ついつい写真撮影をしてしまいました。