【混作を活用した省力型の土壌病害防除法の開発】
2種類以上の作物を同じ圃場で栽培すると、植物間で生じる化学的な相互作用によって、片方または双方の作物の生長が促進される事例が予てから多く知られていますが、化学的作用(≒ アレロパシー)だけでなく、作物の根や茎葉に着生する微生物の作用によっても、病害や虫害が軽減される場合があります。例えば当研究室での研究で、陸稲とラッカセイを混作(写真)した土壌ではイネ紋枯病菌の活動が減退したほか、米国カリフォルニア州ではフェンネルを野生の草花と混作し、圃場に定着する昆虫を多様化して「害虫枠」を小さくすることで、使用する殺虫剤を減量して作物を栽培する事例(写真)もあります。そこでこの研究では、混作する植物の候補を野生植物や草花にまで拡大し、病害防除効果をはじめ、栽培する作物に有益な効果をもたらす混作植物を探索するとともに、そのような効果の作用機能とメカニズムについて解析します。