気候変動が霜害の発生にもたらす効果

【気候変動が霜害の発生にもたらす効果】

上述の研究と密接に関連しますが、露地作物に霜害が発生する場合、気温が氷点下にまで低下するだけでなく、氷の核(氷核タンパク)を産生する氷核細菌が植物の葉面で増殖して、「霜が降りる(= 氷結する)」温度が0℃近くにまで上昇することが大きく影響します。しかし近年の気候変動によって、冬季の気候が比較的暖かい年も多く、そのような気象条件下では特に早春に氷核細菌が増殖し、その後気温が一時的に氷点下にまで低下したような場合に霜害が多発し兼ねません。そこでこの研究では、葉物野菜作物に自然に定着する氷核細菌の増殖や動態を解明する一方で、気温は素よりその他の栽培環境条件が氷核細菌の挙動に及ぼす影響を解析することで、暖冬と霜害との関連について検証します。