日本育種学会第132回講演会(岩手大学)にて
研究報告(口頭1題、ポスター1題)を行いました。
・異質細胞質系統のクロロシス葉における分化不全
アブラナ科栽培種において細胞質雄性不稔性などの農業上有用な形質を利用するため
近縁野生種のオルガネラゲノムを導入したさまざまな異質細胞質系統が作出されている。
しかし、それらの多くの系統は、葉が黄化するクロロシスといった生理障害によって
実用化に至っていない。
これまでの我々の研究によって、異質細胞質系統におけるクロロシスの強い系統では、葉肉細胞の分化に異常があることを明らかにした。
そこで本発表では、分化不全のクロロシスを呈する葉について、形態的な特徴を調査したので報告した。
・Brassica oleracea におけるerucoides 型CMS の解析
Brassica oleracea (キャベツ類)における細胞質雄性不稔性(CMS)を用いた雑種種子生産には、単一のCMS体系のみが利用可能だとされているが、
遺伝的多様性に欠けるため新たなCMS系統の育成が求められている。そこで我々は、近縁野生種Diplotaxis erucoides のオルガネラゲノムをB. oleracea 系統に導入した。得られた異質細胞質系統においてCMSが観察された。本発表では、B. oleracea 4系統による連続戻し交雑によって得られたB. oleracea 系統におけるerucoides 型CMS 4系統の生育、雄性不稔性および種子稔性の安定性について調査したので報告した。
学会の懇親会では、金色の風、銀河のしずくといったお米やじゃじゃ麺など岩手県の特産品を美味しく頂くことが出来ました。
また、他大学や研究機関の方々と親睦を深め、研究についてご助言いただくことが出来ました。
改めて、精進して研究に励みます。