VF細胞を用いた組換えタンパク質発現系の論文
2014年10月2日
Journal of Invertebrate Pathologyに投稿していた論文「Expression of recombinant proteins by BEVS in a macula-like virus-free silkworm cell line」が掲載されました。
Bombyx mori macula-like virusは、カイコ由来培養細胞の多くに混入し、持続感染している植物ウイルス様ウイルスです。カイコ由来培養細胞は組換えバキュロウイルス発現系(BEVS)の宿主細胞として利用されており、獣医薬の製造にも利用されています。そのため、macula-like virusが混入していない培養細胞を私たちは農業生物資源研究所や東京大学と開発してきました。今回は開発した細胞が実際にBEVSで利用可能かどうかを調査し、ウイルスの産生量やタンパク質の合成量、更には糖鎖修飾や細胞外分泌能についても従来の細胞と遜色ないことを明らかにしました。即ち、本細胞を用いることで、より安全な物質生産が可能となることを示すことが出来ました。