毎年この時期になると防鳥網はりを行っています。
その一方で2010年から防鳥糸を使った対策法も実施しています。
一般的に研究圃場でよく見かけるのが防鳥網。
同時に多くのサンプルを守ることができるし、ほとんど鳥害を受けない。
特に収量形質が研究ターゲットの場合は頼りになります。
ただし、設置のためにはしっかりとした支柱と網がたるまない工夫が必要。
研究所のような施設の場合、網をはることが想定された作りになっています。
しかし、一般的な田圃では設置と撤去には労力がかなり必要となります。
あと欠点としては網の中に鳥が入ってしまった場合に追い出すのが面倒です。
防鳥糸を使った場合の問題点は多少の鳥害は覚悟すること。
ただ、5年間実際使ってみた感想としてはほとんど鳥害は受けていない。
大規模な研究では設置・撤去が大変であるが、中・小規模であればそれほど大変ではない。
あとメリットとしては、実験が終了した試験区から撤去できるので圃場の片付け作業を早くできること。
防鳥網か防鳥糸か、どちらを使うかは研究テーマ次第かもしれません。
そこで今年は研究内容から問題ないと判断し、すべて防鳥糸を使用することにしました。
今年は作業に関与する人数が1人なので労力の把握もしやすい。
作業内容と時間は以下の通り。
園芸用支柱の設置・・・280本設置で2時間
防鳥糸の設置・・・・・140本設置で3時間
例年だと防鳥網と防鳥糸を両方使っているので使用する支柱の数はかなり減りました。
網をはる作業時間や撤去のことも考えるとかなりの省力化になりそうです。
作業人数が多ければ時間もかなり短縮できます。
さらにコストも500mの防鳥糸が500円もかからないので安い。
今年の様子を見て今後の鳥害対策を検討しましょう。