投稿者「作物栽培学研究室」のアーカイブ

真夏の肉体労働

今年も恒例の防鳥用網はりを行いました。

作業手順は、以下の通り。
① 支柱を立てる
② 支柱を紐で繋ぐ
③ 網をはる

まずは支柱を立てて紐で繋ぐ、土台作り。
今年の設計では立てる支柱の数が約330本。
使用した紐が約300m。

そして防鳥網の設置。
網が弛まない様に端から端へと広げる作業。

午前中の作業を2日間かけて実施。
この時期は非常に暑いので午前中でも30℃以上。
大変な作業ですけど今年も無事に終わりました。
後は出穂した系統から順に倒伏防止用の紐はりです。

とりあえず、小林君お疲れ様。

201507301 201507302 201507303

ダブルチェック

本日の予想最高気温31℃。
朝から厳しい暑さです。

そんな天候にも負けず、田圃でDNA抽出用のサンプリングです。
DNAマーカーによって遺伝子型を明らかにした個体を移植したのですが、本当にミスはなかったのか、ダブルチェックは重要です。
田圃のサンプルとチューブのサンプル番号を確認しながら、葉身を少し採取してチューブに入れる。
地道に1時間ほどサンプリングし、次はラボに戻ってDNA抽出。
後は予定通り秋までに遺伝子型解析を行い、ダブルチェック終了です。
問題無いといいですね。

ところで、サンプリング中に子連れのカモが田圃にやってきました。
何か微笑ましい光景です。

201506151 201506152 201506153

今年の田植え

田圃の代かきに四苦八苦している一方で、実験室では今年度実験予定のサンプル系統をDNAマーカー選抜。
発芽した苗の葉っぱからDNAを抽出し、DNAマーカーで遺伝型を確認し、目的に合った遺伝型の苗を選ぶ。
同じ時期に、田圃でトラクター、実験室でPCRと電気泳動、どちらも田植えまでに終わらせる作業ですが、なかなかのギャップです。

そして、今週ようやく選抜した苗や他の研究用の苗の田植え。
今年は5試験区+空きスペースで10m × 43m の面積に移植です。
試験区は、供試サンプルを間違えず、設計通りの条間と株間で植えるので緊張します。
失敗したら最悪研究中止ですからね。

気温が高い日もあり、大変でしたが無事4日間で田植えが終わりました。
あとは除草作業、農薬散布、防鳥対策などをして、いよいよ実験です!

mas2015 mas2 tp3

田植え前

田植えに向けて田圃の準備。
普通の田圃であれば入水して数日後に代かきすればいいのですが、こちらの田圃は入水しても水が全体に溜まらない特性があります。
そのため、田植え前の代かき作業は一苦労です。

代かき1回目。
まずは入水開始から数日後に全体の30%を目指して水を広げる。
トラクター作業時間、4時間。

2回目。
次の週に全体の70%を目指して水を広げる。
トラクター作業時間、6時間。

3回目。
次の週に全体の90%を目指して水を広げ、荒代をする。
トラクター作業時間、6時間。

4回目。
田植え1週間前に田圃を均平にし、植代までもっていく。
トラクター作業時間、2時間。

4日かけて計18時間。
深さが偏らない様に、田圃内でなるべくトラクターの入る回数を考えたり、水の入りにくい所に水が回る様に工夫したり、色々頭を使う作業ですが、作業時間が長すぎです。

次年度はこの作業時間を短縮する方法を考えましょう。
さて、次はいよいよ田植えです。

p1d p2b p3c p4b

春の作業

4月になり、桜が咲いたと思ったら、雪が降ったり、雨が続いたり、そして今日は昼間25℃に近づくほど暑い、という不安定な日々。
天候がどうであれ、春になればやる事が色々あります。

①ムギの倒伏と鳥害対策
学生実験用サンプルのムギは4月になると急に大きくなり、そして出穂します。
学生実験後は来年用に採種しなくてはいけないので倒伏と鳥害から守る必要があります。
昨年は鳥害防止にネットを張りましたが、今年は防鳥糸を試してみます。

②イネの播種と育苗
これまで4月の不安定な天候により、播種後の発芽も不安定という年が続きました。
原因は気温が低すぎる事なので、今年は透明ビニールで温度対策。
このおかげか今年のイネサンプルは無事に出芽しています。
この調子なら、DNAマーカー選抜と移植を予定通り行えそうですね。

③田圃の準備
前回春起こしは終えているので次は施肥して入水、そして代かきです。
本日暑い中、施肥を行い、浅耕して入水を始めました。
いよいよ来週から代かきです。
水の溜まりにくい問題を抱える田圃でしたが、これまでの取り組みにより、昨年は改善が感じられました。
さて今年はどうでしょう?

15S1 15S2 15S3

春起こし

3月も終わり、まもなく4月。
だいぶ春らしい陽気になってきました。
そろそろ田圃の準備を始めなくてはいけません。

まずは田圃内の石とゴミの撤去。
通り道に隣接していることもあり、毎年色々なゴミが入ってきます。
今年は紙や布のゴミだけでなく、ポイ捨てされたビン、何か分からない部品、撤去忘れの波板固定用の棒などありました。
また、4年くらい石拾いをしているのに大きいサイズの石が2つ見つかりました。

次に畦切り。
畦も作り直している段階なのでまだ十分ではないですが、切る、盛る、塗るの作業をを実施しています。
毎年切った後に多数の穴が見つかるので水漏れを防ぐために穴を埋める作業が追加されます。
あとは水を張った後に塗れば畦作り完了です。

そして最後に春起こし。
久しぶりのトラクターなので機械の調子も見ながら地道に耕します。

すべて完了すると田圃が奇麗になった様で気持ちがいいですね。

2015h1 2015h2. 2015h23

春までに・・・その3

3月中旬になり、だんだん暖かくなってきました。
春が近づいているのを感じますね。
春になるとイネの栽培が始まりますので、この時期に色々と準備します。

準備その1
今年度の田圃に何を植えるのかを決めるために研究計画を立てます。この段階で必要なサンプル数や圃場の設計など具体的に決めておきます。
計画に関しては事前に学生と何度かミーティングをしているので問題無いですが、どの実験を圃場のどこで行うか、悩むところです。

準備その2
研究で使う個体数に合わせて播種用のセルトレイに系統番号や品種名等を記入します。
ここでの間違いは研究規模の縮小あるいは中止につながります。

準備その3
圃場の設計にあわせて木札に系統番号や品種名を記入します。

準備その4
セルトレイに播種する種子を必要分ずつ袋に入れていきます。
種の間違いは実験中止になるので緊張感がある作業です。

まずは作業部屋を掃除して使用可能な状態にするところから始めて、計画、セルトレイに記入、木札作成、種子のパッキング。
あとはセルトレイの土詰めが終われば播種の準備は完了です。

今年の研究がついに始まりますね。

3161 3162 3163

 

春までに・・・その2、&卒論修論発表会

2つ目の実験。
今度はかなり古風な実験で、ガラス器具が色々登場します。
まずはソックスレー抽出器で脂質を除去。
次に温浴状態で薬品による目的外物質の溶出。
最後にガラスフィルターで濾過して、乾燥後の残留物を秤量する。
1つ1つの行程やガラスフィルターの洗浄など、とにかく時間がかかる実験なので気長にやるしかありません。
スピードアップは可能ですが、設備投資がかなり必要になります。

さて、研究室ではこのような気長な実験を実施しておりますが、2月は恒例の卒論、修論発表です。
今年は本研究室から卒論1名、修論1名が発表しました。
研究室で学んだ事の集大成、どうだったでしょうか?
発表はそこそこ出来ていたのでいいのですが、2人とも質疑応答で???
専門的な質問よりも、異なる分野の人からの単純な質問は意外と難問です。
これをうまく返せるまでは準備できていなかった様なので、良い経験になったと思います。
2人ともお疲れ様でした。

ce1 ce2 ce3

春までに・・・その1

寒い日が続きますが、春までにやらないければいけないことがいろいろあります。

その1つが溜め込んでいるサンプルの分析実験。
測定した事のある実験であればルーティンに行えるので問題はありません。
やった事がない実験については、まずは立ち上げから始めます。
専門書や論文などを参考に実験方法を構築していくのですが、ラボの設備でどう対応するか、書かれていないところはどうするか、実際やってみると色々考える事が出てきます。
時間が十分にあればよいのですが、春には田植えの準備が始まるのでのんびりはできません。

さて、まずは1つ目の実験。
論文の情報からこれまで経験した事のある実験との類似点などを参考に構築していきます。
サンプルを秤量し、温度処理、遠心分離、エバポレーション等を経て余分な物質を取り除く。
抽出液を加え、じっくりと攪拌して目的物質を溶解、あとは分光光度計で測定する。
いくつかの抽出サンプルを比べると、色の濃さに違いが出ている様です。
あとは実験を安定させるための細かな条件を設定して試行し、マニュアルを作成。
そして本番、地道に研究用サンプルを測定していきます。

ラボの発展のためにも、毎年最低1つは新しい実験に挑戦したいですね。

lg1 lg2 lg3 lg4 lg5 lg6

大掃除

今年もあと1週間となりました。
年の汚れは今年のうちにということで、大掃除です。

実験室は毎週掃除しているのですが、普段はやらないところは1年経つと汚れてます。
エアコンのフィルター、ブラインド、棚の上などの高いところから掃除開始。
引き出し、戸棚、冷蔵庫のよく触れる部分やガラスもピカピカにします。
最後に床を洗剤で磨き、モップで拭き取って終了。

約3時間の掃除で実験室はスッキリです。
来年もこの実験室をフル活用して、魅力的な研究成果が出る様にがんばりましょう。

c1 c2 c3