投稿者「作物栽培学研究室」のアーカイブ

苗からDNA抽出中

2週間前に播種したイネが無事育ってきました。
あと3週間後に田圃に移植予定です。

その前に、DNAマーカー選抜を行うサンプルのDNA抽出をしなくてはいけません。
本年度予定の第1回目のサンプル数は約900個体。
間違えない様に苗の葉をとってチューブに入れて抽出バッファーを加える。
次はビーズクラッシャーで破砕して遠心分離。
ここまで終わればあとはプロトコルに従って行うだけ。

さて、このサンプルから期待通りの遺伝型をもつ個体は見つかるのでしょうか?

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回復の兆し?

田圃の管理を引き継いで4年目。

ようやく本来の田圃に近づいてきました。

引き継ぐ前の田圃は、畦と田圃の境が分からない、田圃内に高低差がある、異常に深い、水が溜まりにくく抜けにくい等、農家さんが使っている田圃ではあり得ない状態。

4年前引き継いだ時から5年計画で補修作業を開始。

農業土木は専門ではないし、田圃を作ったことも無いので必死に情報収集し、経験者の意見や技術が必要なので農家出身の学生さんに協力を依頼。(2人の学生に感謝です!)

下に示した写真は入水後の状況ですが、明らかな変化が見えてきました。

左は2011年の田圃で入水1週間後の様子。
入水口付近は水が溜まるが広がらず、1ヶ月入れ続けても変化無し。
その後トラクターで水を広げる作業をしつつ、状況把握のため様々な情報収集。
なんとなく田圃の状況が見えてきたのがこの年。

真ん中の写真は2012年の圃場で入水2日後の様子。
水の広がりは鈍いが、前年より水が溜まりやすくなる。
落水後の水の抜けが少し改善される。

右の写真は今年の圃場で入水1日後の様子。
水の広がりに変化が見られる。

2011年から均一に浅耕し、2012年から畦を作り直し、2013年から高低差を補正。
その間地道に圃場内の石とゴミを撤去。
田圃の構造(硬盤と畦)を意識して行ってきたことが結果として現れる様になってきました。

今後も継続し、田圃の機能回復へ努力しましょう。

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4月に入り、春らしくなってきました。

学生実験用のコムギとオオムギも大きくなり、間もなく出穂しそうです。

この時期になるとイネの研究のための田圃作りが始まります。

春起こし、畦きりを行い、田圃の中のゴミや石を撤去。

あとは施肥して、畦塗りと代かき。

4月と5月は田圃作りからイネの移植。

いよいよ本年度の研究が始まりましたね。

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学会発表

日本作物学会第237回講演会でポスター発表するため、千葉大学へ行ってきました。

今回発表のタイトルは2つ。

「イネにおける上位部節間の挫折抵抗に関与するQTLとその物理特性」(発表者:柏木)

「イネにおける食味関連形質に関与する量的形質遺伝子座の解析」(発表者:宗方)

ポスターセッションは40分間あり、貴重な御意見を頂いて有意義な議論ができました。

本研究に興味を持って頂いた方々に感謝申し上げます。

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論文が受理されました

本研究室で行った倒伏抵抗性に関する研究の論文「Identification of quantitative trait loci for resistance to bending-type lodging in rice (Oryza sativa L.)」が植物育種の国際誌「Euphytica」に受理されました。

内容は、イネの湾曲型倒伏に対する抵抗性向上を目的とし、上位稈の挫折抵抗に関与する量的形質遺伝子座(QTL)を解析した結果、第11染色体上に上位3節間の挫折抵抗を同時に強化する「bsuc11」を発見したこと、さらにこのQTLによる物理特性は出穂から2週目以降に生じる上位部稈の物理強度低下を抑制することが述べられています。(図を参照)

研究は科研費(23780014)の助成を受けて行ったものです。2013年の9月に論文を投稿して今年の3月にようやく受理されましたが、まだ公開はされてません。興味がある方はもうしばらくお待ちください。

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炊飯米の評価

いよいよ、本年度最後の実験が始まりました。

コメの食味を評価するには実際に食べる官能試験がありますが、こちらでは物理試験によって硬さや粘りを評価する方法を使っています。

「味」というよりは「食感」の評価になります。

炊飯米の物理試験はコメを圧縮して潰し、次に潰れた状態から引っ張る過程のなか生じる「力」を数値化します。

最適な機械を使えば物理試験中にコメに生じる「力」を波形で確認することができますが、現在使用している機器ではできないので、正しい評価のために少し頭を使って計算する必要があります。

評価には十分なサンプル数について一粒一粒地道に測定しますので根気が必要です。

さてどのような結果が出るか、楽しみです。

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ラストスパート

1月も早いものであと3日。

3月から次年度の研究計画や田圃の準備が始まるのであと1ヵ月で本年度予定分の実験を終了しなくてはいけません。

やらなくてはいけないものは、玄米の成分分析、炊飯米試験、遺伝型解析。

成分分析はあと1形質の測定だけなのでもうひと頑張り。

玄米を灰化して、酸で抽出、分光光度計で測定。

サンプル数が180くらいありますが、1〜2週で終わるでしょう。

残り1ヵ月、ラストスパートです!

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年末大掃除

2013年がもう少しで終わります。

2013年は本研究室にとって再スタートの年でした。

これまで無かったまともな実験室での研究活動。

昨年までは1人分しか実験スペースが無く、1年ごとの引っ越し。

ようやく落ち着いて研究が出来る環境になりました。

そんな研究環境に感謝を込めて、年末大掃除です。

実験室には「土足厳禁」と「整理整頓」のルールがあり、毎週の掃除も欠かさず行ってきましたので、基本キレイです。

ビジネス本でも取り上げられる様に、職場はきちんと整理し、キレイに使うことが大事。

仕事の効率や質を高めるにはこういう基本的なことが重要です。

さて年末大掃除ですが、普段掃除しない所から始め、最後は床掃除。

約2時間の作業でスッキリです。

宗方君、和知君お疲れ様。

そして急遽現れた「助っ人」さん、手伝ってくれてありがとう!

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成分分析が始まりました。

収穫したサンプルの収量解析がとりあえず終わりました。

次は実験室内での成分分析です。

今年分析予定のサンプルは稈(茎)と玄米です。

まずはサンプルをミルで粉砕。

抽出液にサンプルを入れ、ビーズクラッシャーを使って抽出。

後は化学的な実験で、抽出液を反応液に入れて比色程度を分光光度計を使って測定します。

分析したいものによって抽出や反応などの測定方法が変わりますが、基本は粉砕、抽出、測定の繰り返しです。

さて、期待通りの結果が出るか、楽しみですね。

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田圃終了

10月ももうすぐ終わり、間もなく11月です。

ようやく大学の田圃も収穫作業が終わり、すべての撤去が完了しました。

今年は早めに田圃が終了したので秋起こしをしました。

この作業の効果が来年見られたら、毎年することにします。

来年の3月上旬まで田圃はお休みです。

しかし、研究はこれからさらに忙しくなります。

大量に収穫したサンプルについて収量特性や各成分等を分析しなければなりません。

こつこつとがんばっていきましょう!

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