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遺伝子型確認

6月の田んぼ作業。
まずは除草剤の散布。
続いて殺虫剤の散布。
あとは手作業での除草。
大事なイネを観察しながら、雑草や害虫の発生を日々確認。

一方でDNAマーカー利用選抜で選んだイネの遺伝子型も再確認します。
今年は48個体サンプリングして、16マーカーを確認。
これから実験に用いる個体や秋に採種する個体を決定。

さて、まもなく7月。
気温上昇とともに、田んぼでの重労働、そして実験が始まります。

MAS〜代掻き〜田植え

今年も多忙な時期がやってきました。

まずはDNAマーカー利用選抜。
960個体について、8日間かけて遺伝子型を確認して選抜。
今年は機械トラブルなどが起きず、予定通りに進みました。

選抜作業と並行して代掻き。
選抜作業は順調でしたが、代掻きは・・・

作業1日目、3時間。
作業2日目、5時間。
作業3日目、6.5時間。
作業4日目、2.5時間。
作業5日目、6.5時間。
合計23.5時間。

昨年の16時間を大幅に超える作業時間。
これはかなり問題ですね・・・

最後に田植え。
今年は7.5m×42mの区画内に8つの試験と種の更新に対して69系統、2773個体。そして空きスペースに1351個体を移植。
4日間で約22時間の田植え作業となりましたが、無事に完了。

この後は様子見ながら除草作業や殺虫剤散布などの管理です。


「播種〜DNA抽出」と「施肥〜入水」

4月になり暖かくなったきたと思ったら突然の雪。
不安定な春ですが、田植えに向けて準備です。

まずは苗の準備。
3月に立てた計画に従い、用意した種を消毒・浸種。
催芽種子をセルトレイに1粒ずつ、計4132粒を播種し、あと苗箱6枚分も播種。
今年もDNA抽出してマーカー選抜するものはグロスチャンバー、その他はガラス室で出芽〜育苗。
グロスチャンバーで育てたものは10日ほどで十分大きくなるので、960個体のDNA抽出用にサンプリングした後はガラス室へ移動。
ガラス室も2週間ほどで全て出芽したので後は田植え予定の5月下旬まで育苗。

一方、圃場。
施肥量を一定に保つために区画を決め、合計100kgほど肥料を圃場に撒きます。
トラクターで耕して入水開始。
後は毎年悩む代掻きです。

これから田植えまで忙しい時期が続きますね。

3月のお仕事

3月になり、徐々にですが暖かくなってきました。

3月は4月から始まるイネ研究の準備時期です。
まずは播種の準備。
2月から考えてきた今年の研究計画に従い、種を選び、必要数をパッキング。
続いて種を撒くセルトレイや苗箱の準備。
系統名などを記入して、粒状培土を8割程度入れておきます。

次に圃場の準備。
最初に畦切りを行い、圃場と畦の境界線をキレイにします。
この時に崩れた畦の修復、圃場内高低差の修正も行います。
スコップ使って約2時間半、ひたすら肉体労働してようやく終了。
あとは春起こし。
圃場内のゴミ拾いをして、久々のトラクター乗車。
トラクターの調子も確認しながら、全面を耕起。

あと3月の最後は学会発表。
今回の発表タイトルは「コメのタンパク質含量に関与する遺伝子座TGP12の機能と食味関連形質への影響」。
昨年発表した論文についての内容で、コメの品質で重要なタンパク含量を遺伝的手法で減少した場合に食味にどのような影響を与えたかをポスター発表で報告しました。
今回は共同著者に発表をお願いしましたので直接対応はしていませんが、発表時に質問して頂いた方々に感謝申し上げます。

実験終了

本年度もあと2ヶ月。
予定している残りの実験を実施し、次年度の計画、準備をしなくてはいけません。

まずは遺伝子型の解析。
春のマーカー選抜・田植えに向けて、遺伝子型の確認や新しいマーカーの試験。
今回得られた結果を次年度の計画に役立てます。

最後は窒素分析。
改良デュマ法の機器を用いてコメや葉の窒素含量を測定。
この機器は導入されて1年ほどしか経っていないので、まだまだ経験不足。
測定が半分終わったあたりからベースラインが不安定、実測値の異常が発生しました。
何が原因か一つ一つ確認・修正して、現象と対処法を記録。
無事すべての測定が終了し、ついでに実験機器について知識と経験得ました。

不慣れな機器対応に時間を取られましたが、ようやくすべてのデータがそろいました。
あとはデータ整理して本年度の結果をまとめ、しばらくは考える時間が続きます。

2019年

2019年がスタート。
今年の1月は昨年末から雨が降らず、かなり乾燥しています。

ラボでは遅れている実験を急ピッチで実施中。

まずは稈の成分分析。
稈に含まれる構造性炭水化物(ホロセルロース、リグニン)と非構造性炭水化物(デンプン、ショ糖、単糖類)を測定。
測定結果から稈の物理特性との関係を考察していきます。

稈の次はお米に関する実験。
収穫したお米の品質を確認するため、ゲルコンシステンシーによる理化学特性、SDS-PAGEによるタンパク質組成、そして玄米の硬度を分析。

まだ予定している実験はありますが、ようやくゴールが見えてきました。
3月からは次年度の研究がスタートしますので、もう一息です。

        

今年のうちに

今年の12月も大忙し。

11月の受託研究対応が終わって一息つきたいところですが、計画より遅れている本業の方をどうにかしないといけません。

まずは採取サンプルの成分分析。
とりあえず年内は玄米サンプルを分析し、年明けから稈サンプルの分析を行います。
132の玄米サンプルを粉砕し、タンパク質含量やアミロース含量を測定。
こんな時に突然フリーザーが故障したり、色々起きましたが無事終了。
とりあえずデータ整理して、結果は年明けに分析します。

次に採種した種の整理。
今年は種の更新もあり、120系統。
1系統ずつ確認しながら封筒に移し、最後に保管リストを作成。
年々系統が増えているので種子庫として使っている冷蔵庫がそろそろ限界ですね。

そして最後は恒例の大掃除。
1年間お世話になった実験室や作業室を隅々までキレイにしました。

年明けから実験予定がいっぱいですが、とりあえず今年も無事終わりました。
2019年も地道に頑張りましょう。

        

今年の圃場作業終了

11月になり、ようやく全てのイネの採種が終了しました。
あとはイネの撤去と圃場整備だけです。

まずは・・・・・紐拾いから。
自分の実験区は問題ないですが、他者が使用している区には毎年資材などが放置されます。
管理者なので対応しなければならないのですが、特に麻ひも撤去が面倒です。
麻だから自然に分解されるとお考えなのかわかりませんが、農業機械による作業は分解されるまで待てませんし、頑丈な麻ひもは農業機械に絡むと色々と面倒。
田圃にあればトラクターのロータリー、畦にあれば刈り払い機に絡むので作業時間が増えます。
ちなみに下の写真(左)のような状態から矢印先の麻ひもを見つけて回収する作業をしています。
結果、今年も3時間かけて大量に回収。
落ちた麻ひもを全て回収することは不可能ですが、少しでも減らさないと後々面倒になります。

 

麻ひも問題でウンザリしたあとはイネの撤去。
今年は他の仕事も忙しいので短時間で終わらせる作戦。
鎌ではなく、刈り払い機でイネ刈り。
刈ったイネはリヤカーで廃棄場所へ移すので、イネを一定方向に倒すように刈り、その後数カ所に集めます。
あとは集めたイネをリヤカーに積んで撤去。
毎年手刈りで4日位に分けて行っていた作業を2日に短縮できました。

田圃作業の最後は秋起こし。
ここまで来るとようやく田圃の終わりを実感してきます。
秋起こしついでに畑圃場も耕して、来年の学生実験用の麦を播種。
全てが終了してトラクターを洗車すると・・・またも麻ひも問題!
ロータリーの軸に植物体と土と麻ひもの見事な集合体を形成。
引っ張っても取れないので水で少しずつ剥がしていくと麻ひもがしっかりと絡みついています。
しかも今年は17本も。
昨年は4本だったのでまだ楽でしたが、今年は洗車作業に2時間。

かなり疲れましたが、ようやく圃場作業が終わりました。
今年もお世話になった田圃とトラクターに感謝です。

   

収量・品質調査

10月になり、すっかり秋です。
田圃にはまだ採種用のイネが生育中ですが、ラボでは収量と品質の調査が始まりました。

各試験区について収量構成要素を丁寧に調査。
穂数、一穂籾数、登熟歩合、粒重を測定して収量特性を解析します。

収量の次は品質。
とりあえず収穫後1ヶ月での新米の炊飯米物理特性を調査。
脱穀、選別、精米と準備し、炊飯後に硬さ、粘り、付着性を1粒ずつ測定。
この後は玄米成分や粒形などを解析していく予定です。

一方で今年から受託研究が始まりました。
そして大量のサンプルを預かり、これらもこれから解析していきます。
部屋がサンプルだらけとなりましたが、企業さんの大事なサンプルですので大切に扱いましょう。

       

収穫

猛暑続きの夏が終わり、涼しい季節になってきました。
圃場のイネも完熟期に入り、いよいよ収穫シーズンです。

収穫期の作業は主にサンプリング、実験、採種。
今年は後日行う実験用のサンプリングと採種が多く、収穫期の実験は少なめ。
この時期は台風や長雨で予定通り進まないのが難しいところです。
日々天気予報を確認しながら日程調整しつつ、作業を進めていきます。

今年は猛烈な台風や豪雨にも耐えてほとんど倒伏していないのはいいのですが、晴れの日が続かず、田圃がぬかるんでいます。
やや悪条件下の作業でしたが、なんとか予定通りにサンプリングと採種を終了。
今年も部屋の中に大量の稲穂がやってきました。
こちらは2週間ほど乾燥させてから収量解析、炊飯米試験、玄米成分解析、種の整理を行います。

収穫期の実験は植物体を実験室に持ち帰って行う物理試験や形態調査。
植物体から丁寧に稈を採取して、その物理特性や形態特性を解析します。
こちらも予定通りに実施できました。

圃場での作業も晩生品種の採種と片付けのみとなりました。
収穫シーズンのピークをなんとか無事乗り越えたので一安心ですね。