研究内容

私達の研究室では、総合的害虫管理技術の発達に貢献する事を目的として、各種農作物の重要害虫の生理、生態、生物間の相互作用について、生態学的、分子生物学的手法を用いて解析を行なっています。

露地ナシ圃場でのミヤコカブリダニ製剤の移動・分散を明らかにしました      Mikawa Y, Aizawa M, Mori K, Toyama M, Sonoda S* (2022) Molecular verification of commercialized Neoseiulus californicus (McGregor) settlement before spider mite appearance in a Japanese pear orchard. Systemic and Applied Acarology (in press). 露地ナシ圃場においてミヤコカブリダニ製剤は、1)設置後2-3週間でナシ葉に行き渡ること、2)設置されたナシ樹においてハダニ密度抑制効果を発揮すること(ナシ棚を通じて隣のナシ樹へは移動しないこと)を明らかにしました。

ツメクサアブラムシに不完全生活環クローンの存在することを明らかにしました      Tsukahara T, Xue J, Kagawa K, Sonoda S* (2022) Identification of Aphis coronillae (Hemiptera: Aphididae) clones with anholocyclic life cycles. Entomological Science (in press). ツメクサアブラムシは秋に有性虫を産出する完全生活環型の生活史をもつと考えられてきましたが、本研究により不完全生活環型のクローンの存在が明らかとなりました。

ナシの株元雑草を温存することでカブリダニによるハダニ密度抑制効果が強化されることを明らかにしました                               中井 善太・大谷 徹・園田 昌司 (2022) ナシ園における株元雑草の温存がハダニ類(ダニ目:ハダニ科)とカブリダニ類(ダニ目:カブリダニ科)などの天敵の発生に及ぼす影響. 日本応用動物昆虫学会誌 66, 53-63.

自然受粉のナシ園の花粉媒介を支えるメカニズムの一端を明らかにしました         Sonoda S*, Kagawa K, Furui Y, Nakada K, Koyama M, Toda S, Sugiura N, Nakamura S, Sueyoshi M, Mita T, Toyama M (2022) Mutual complementarity among diverse pollinator species as underlying mechanism of insect-pollinated open pollination in Japanese pear orchards. Journal of Applied Entomology 146, 498-510. ニホンナシ園における自然受粉の基本的メカニズムを明らかにするために、栃木県、鳥取県、熊本県の圃場において訪花昆虫とそれらの花粉媒介における機能的重要性を調べました。その結果、ヒメハナバチ科、ミツバチ科、コハナバチ科、ハナアブ科が最も重要な訪花昆虫種群であることが明らかになりました。しかしながら、セイヨウミツバチ以外に3地域の花粉媒介で重要な役割を果たして種はいませんでした。調査圃場の訪花昆虫相は常に変化していましたが、自然受粉圃場の結果率は、人工授粉圃場で自然受粉を行った場合より変動が小さいことが明らかになりました。自然受粉のニホンナシ園では、様々な昆虫種が花粉媒介において補完し合う関係がより高い次元で成立しているのかもしれません。         

タバコシバンムシの合成ピレスロイド剤抵抗性の機構を明らかにしました       Fukazawa M, Takahashi R, Matsuda H, Mikawa Y, Suzuki TY, Suzuki TH, Sonoda S* (2021) Sodium channel mutations (T929I and F1534S) found in pyrethroid resistant strains of the cigarette beetle, Lasioderma serricorne (Coleoptera: Anobiidae). Journal of Pesticide Science 46, 360-365. タバコシバンムシの合成ピレスロイド剤抵抗性機構をNGSを活用して調べました。その結果、抵抗性にはT929IとF1534Sというアミノ酸変異が関わっていることが明らかとなりました。また、T929Iが抵抗性の基礎となっており、F1534SはタイプIピレスロイド剤に対する抵抗性のエンハンサーとして機能していることが推測されました。

東京農工大学大学院連合農学研究科(博士課程)に社会人として入学され、学位取得を目指す、中井善太さん(千葉県)によるキイカブリダニの孵化率に寄主植物と湿度が及ぼす影響を調べた論文です                                  Nakai Z, Shimizu K, Oida H, Sonoda S (2021) Host plant and humidity effects on phytoseiid mite, Gynaeseius liturivorus (Acari: Phytoseiidae) egg hatchability. Experimental and Applied Acarology 84, 135-147.

DNA量の個体間変異を回避したサンガーシーケンシングによる抵抗性遺伝子頻度の推定に関する論文です                                 Sudo M, Yamamura K, Sonoda S, Yamanaka T (2021) Estimating the proportion of resistance alleles from bulk Sanger sequencing, circumventing the variability of individual DNA. Journal of Pesticide Science 46, 160-167. 

イチゴ萎黄病を引き起こす病原菌のLAMP法による検出法を開発しました                     Katoh H, Yamazaki S, Fukuda T, Sonoda S, Nishigawa H, Natsuaki T (2021) Detection of Fusarium oxysporum f. sp. fragariae by using loop-mediated isothermal amplification. Plant Disease 105, 1072-1079.

東アジアと東南アジアにおけるコナガのジアミド剤抵抗性遺伝子の起源と拡散を明らかにしました                                         Uesugi R, Jouraku A, Hinomoto N, Kuwazaki S, Kanamori H, Katayose Y, Sonoda S (2021) Origin, selection, and spread of diamide insecticide resistance allele in field populations of diamondback moth in east and southeast Asia. Pest Management Science 77, 313-324.

コナガのジアミド剤抵抗性に関わるリアノジン受容体のアミノ酸変異(G4946EとI4790K)の野外における年次頻度変化とそれらのアミノ酸変異が発育や増殖などに及ぼす影響を明らかにしました                                       Fukada M, Itagaki Y, Nagayoshi A, Sonoda S* (2020) Field survey of ryanodine receptor mutations (G4946E and I4790K) and their effects on biotic performance in diamondback moth. Journal of Pesticide Science 45, 114-118. 野外におけるコナガのジアミド剤抵抗性に関わるリアノジン受容体のアミノ酸変異(G4946EとI4790K)の頻度変化を5年間(2015-2019)にわたって調査しました。その結果、ジアミド剤散布を停止した年のG4946Eh瓶度は低下すること、I4790Kは調査期間を通じてあまり出現しないことが明らかになりました。また、G4946EのしくはI4790Kを持つ系統の孵化率、発育速度、産卵数は感受性系統と変わらないことが明らかになりました。

                                                                                           天敵製剤(ミヤコカブリダニ)のナシほ場での移動を明らかにしました                 Mikawa Y, Aizawa M, Uesugi R, Osakabe M, Mori K, Toyama M, Sonoda S* (2020) Molecular monitoring of Neoseiulus californicus released from sheltered slow-release sachets for spider mite control in a Japanese pear greenhouse. Experimental and Applied Acarology 80, 203-214. ミヤコバンカー(石原産業)のミヤコカブリダニ(製剤)と土着のミヤコカブリダニを識別する手法を開発しました。また、その手法を用いて、製剤の温室ナシ園で動態を調べました。その結果、製剤は1か月程度でナシ葉に行き渡ることが明らかになりました。

コナガのシアントラニリプロール抵抗性機構を明らかにしました                     Jouraku A, Kuwazaki S, Miyamoto K, Uchiyama M, Kurokawa T, Mori E, Mori MX, Mori Y, Sonoda S* (2020) Ryanodine receptor mutations (G4946E and I4790K) differentially responsible for diamide insecticide resistance in diamondback moth, Plutella xylostella L. Insect Biochemistry and Molecular Biology 118, 103308. コナガのシアントラニリプロール抵抗性にはリアノジン受容体の新規アミノ酸変異(I4790K)が関与していることを世界に先駆けて明らかにしました。

トビイロウンカのネオニコチノイド抵抗性に関する論文です                               Fujii T, Sanada-Morimura S, Oe T, Ide M, Van Thanh D, Van Chien H,e, Van Tuong P, Loc PM, Cuong LQ, Liu Z-W, Zhu Z-R, Li J-H, Wu G, Huang S-H, Estoy Jr GF, Sonoda S, Matsumura M (2020) Long-term field insecticide susceptibility data and laboratory experiments reveal evidence for cross resistance to other neonicotinoids in the imidacloprid-resistant brown planthopper Nilaparvata lugens. Pest Management Science 76, 480-486. トビイロウンカの野外および実験室での殺虫試験を長期間にわたって継続してきました。その結果、イミダクロプリド抵抗性のトビイロウンカはチアメトキサムやクロチアニジンに交差抵抗性を示すものの、ジノテフランやニテンピラムに対する抵抗性は顕著ではないことが明らかになりました。

PCRによるカブリダニ種の識別法を開発しました                                                      Mikawa Y, Ishii H, Nagayoshi A, Sonoda S*, Mori K, Toyama M (2019). PCR-based species identification applied in Japanese pear orchards to survey seasonal proportion changes of phytoseiid mite species. Applied Entomology and Zoology 54, 133-139. カブリダニはハダニの天敵として知られていますが、形態的な特徴に基づく分類が困難でした。本研究では、PCRを用いてカブリダニ種を同定する手法を開発し、ナシ園に発生するカブリダニ種の季節的な変化を明らかにしました。性や発育段階に関わりなく、PCRのみでカブリダニ種の同定ができる本手法は、様々なカブリダニ研究への利用が期待されます。 

ダイズアブラムシで完全生活環型と中間型のクローンが見つかりました                          Oka Y, Kagami-Yashima C, Kagawa K, Sonoda S*, Murai T (2018) Clonal variation of sexual morph production in response to temperature and photoperiod in soybean aphid, Aphis glycines (Hemiptera: Aphididae). Applied Entomology and Zoology 53, 509-517. ダイズアブラムシの生活史についてはこれまで完全生活環型と考えられてきました。私達はダイズアブラムシの増殖と有性個体生産に日長と温度が及ぼす影響を、北日本、東日本、西日本、南日本で採集された6つのクローンを用いて調べました。その結果、6つのクローンには不完全生活環型と中環型が含まれていることが明らかになりました。また、低温と短日は不完全生活環型のクローン以外に対して負の影響を及ぼすことが明らかになりました。論文では不完全生活環型クローンの周年単為生殖のメカニズムについて考察しています。

温室ナシ園に生息するカブリダニの季節的変化とハダニ以外の節足動物害虫の摂食を明らかにしました                                                                                                                       Ishii H, Mikawa Y, Murase Y, Sonoda S*, Hinomoto N, Kishimoto H, Toyoshima S, Toyama M (2018) Species composition and arthropod pest feeding of phytoseiid mites in Japanese pear greenhouse. Applied Entomology and Zoology 53, 463-474. 温室ナシ園に発生するカブリダニの種構成の季節的変化とハダニ以外の節足動物害虫の摂食について分子生物学的な手法を用いて調べました。その結果、6月末から9月末はミヤコカブリダニをはじめとするNeoseiulus属のカブリダニが優占し、その後、ニセラーゴカブリダニ、キイカブリダニなどのジェネラリストカブリダニが発生することが明らかになりました。また、PCRでカブリダニからハダニ以外の節足動物害虫DNAを検出する手法を開発し、ニセナシサビダニやモモアカアブラムシなどの摂食を明らかにしました。

ヒラズハナアザミウマのスピノサド抵抗性機構の一端を明らかにしました                   Hiruta E, Aizawa M, Nakano A, Sonoda S* (2018) Nicotinic acetylcholine receptor α6 subunit mutation (G275V) found in a spinosad-resistant strain of flower thrips, Frankliniella intonsa (Thysanoptera: Thripidae). Journal of Pesticide Science 43, 272-276. これまでヒラズハナアザミウマにおいて薬剤抵抗性が問題となることはほとんどありませんでした。ところが、徳島県のイチゴにおいて、スピノサドに対する抵抗性が認められました。ヒラズハナアザミウマのスピノサド抵抗性機構について調べるために、実験室内において薬剤選抜を行ない、抵抗性系統を確立しました。スピノサドの標的であるニコチン性アセチルコリン受容体をコードする遺伝子を、抵抗性系統と感受性系統を用いて調べたところ、前者ではα6サブユニットの275番目のアミノ酸がバリンに変化していることが明らかとなりました(G275V)。当該部位におけるアミノ酸変異(G275E)は、スピノサド抵抗性のミカンキイロアザミウマおよびミナミキイロアザミウマでも報告されており、G275Vはヒラズハナアザミウマの主要な抵抗性因子であると考えられます。                       

アザミウマ類の簡易薬剤抵抗性キットを開発しました                                  Aizawa M, Nakai K, Watanabe T, Kumano A, Tamagaki K, Sonoda S (2018) A simple method for monitoring cypermethrin resistance in Thrips tabaci (Thysanoptera: Thripidae) using agar-coated glass pipettes. Applied Entomology and Zoology 53, 165-170. 薬剤を含む寒天でコーティングしたガラスピペットを用いたアザミウマ類の簡易薬剤抵抗性検定法を開発しました。この手法では、圃場で採集されたアザミウマ類を直接試験に供試して、結果を24時間後に判定できます。本手法は、従来法に比べて、速やかに抵抗性を検出できる、植物体を必要としない、比較的長時間の試験も可能といった利点を持ってます。

ダイズの害虫ジャガイモヒゲナガアブラムシとダイズアブラムシの高温に対する感受性は異なります                                                    菊池孝信・加藤寛・香川清彦・園田昌司*・村井保(2018)日本応用動物昆虫学会誌 62, 41-46. 高温がジャガイモヒゲナガアブラムシとダイズアブラムシの発育と増殖に及ぼす影響を調べ、前者は後者よりも高温に対する感受性が高いことを明らかにしました。

ネギアザミウマにおける産雄性単為生殖系統の分布拡大要因の一端を明らかにしました                                     Aizawa M, Watanabe T, Kumano A, Tamagaki K, Sonoda S (2018) Biotic performances of thelytokous and arrhenotokous strains showing resistance to cypermethrin in Thrips tabaci (Thysanoptera: Thripidae). Applied Entomology and Zoology 53, 11-17. ネギアザミウマにはメスのみを産む産雌単為生殖(産雌)系統と、交尾した場合は雌を産み、未交尾の場合は雄を産む産雄単為生殖(産雄)系統がいます。もともと日本にいたのは産雌系統で、産雄系統が見つかったのは1988年とされています。それ以来、産雄系統は産雌系統を押しのけるように分布域を拡げつつありますが、なぜでしょう?本研究において原因の一端は、産雄系統は殺虫剤抵抗性を発達させやすく、また抵抗性の発達により発育速度や産子数が低下しないためであることが明らかとなりました。

海外におけるトビイロウンカとセジロウンカの殺虫剤感受性の報告です            Matsumura M, Sanada-Morimura S, Otsuka A, Sonoda S, Thanh DV, Chien HV, Tuong PV, Loc PM, Liu ZW, Zhu ZR, Li JH, Wu G, Huang SH (2018) Insecticide susceptibilities of the two rice planthoppers Nilaparvata lugens and Sogatella furcifera in East Asia, the Red River Delta, and the Mekong Delta. Pest Management Science 74, 456-464. トビイロウンカとセジロウンカは北ベトナムから中国に移動し、梅雨時に下層ジェット気流に乗って中国から日本にやってきます。そのため、発生源である東アジア、紅河デルタ、メコンデルタにおける各種殺虫剤に対する感受性を明らかにすることは、日本における両ウンカ種の防除を考えるうえで重要です。本研究では近年の両ウンカ種の殺虫剤感受性の変化を明らかにしました。

コナガ個体群におけるジアミド剤抵抗性遺伝子の頻度の季節的変化を明らかにしました   Itagaki Y, Sonoda S* (2017) Seasonal proportion change of ryanodine receptor mutation (G4946E) in diamondback moth populations. Journal of Pesticide Science 42, 116-118. 害虫の殺虫剤に対する感受性は越冬直後に高く、その後低下すると言われていますが、そのことが科学的データによって裏付けられたことはありませんでした。本研究ではまず、野外のコナガにおけるジアミド剤抵抗性遺伝子頻度は春から夏にかけて徐々に上昇し秋に低下することを明らかにしました。また、次年度春先の個体群における抵抗性遺伝子頻度は前年度晩秋の頻度とよく似ていることを明らかにしましたが、このことは当該年のコナガ管理におけるジアミド剤の効果が前年の抵抗性遺伝子頻度調査に基づいて評価できることを示唆しており、植物保護の観点からも重要です。

ハダニ管理におけるヤイトバナの天敵温存効果を調べました                    David Wari・佐藤翼・山下純・園田昌司*(2017)カブリダニ類(ダニ目:カブリダニ科)の天敵温存植物ヤイトバナ(アカネ科)がモモ圃場におけるハダニ類(ダニ目:ハダニ科)の発生に及ぼす影響. 日本応用動物昆虫学会誌 61, 178-183. ヤイトバナはモモ圃場の下草として最も多くのカブリダニを長期間にわたって維持しています。本研究ではまず、ヤイトバナはハダニにとって不適な植物であり、発生源とならないことを明らかにしました。次いで、株元にヤイトバナが繁茂するモモの樹とヤイトバナのないモモの樹におけるハダニの発生量を調べました。ヤイトバナが繁茂するモモの樹ではハダニの発生量が少ない傾向が認められましたが、そうでない場合もありました。今後、ヤイトバナの天敵温存効果が期待できる条件を明らかにすることが望まれます。

炭酸ガスを用いたナミハダニ防除の話です                                板垣有紀・加藤寛・香川清彦・園田昌司*・村井保(2017)高温条件下における高濃度二酸化炭素処理がナミハダニ(ダニ目:ハダニ科)雌成虫および卵に及ぼす影響. 日本応用動物昆虫学会誌 61, 175-177. 定植前のイチゴ苗を高濃度の炭酸ガスで処理することで、付着したハダニを死滅させ、本圃への侵入を防ぐ手法が実用化されています。本研究では、高温条件でハダニに対して炭酸ガス処理を行うと、より処理時間が短縮できることを明らかにしました。

コナガ個体群のジアミド剤抵抗性遺伝子頻度を推定するための手法を開発しました     Sonoda S*, Inukai K, Kitabayashi S, Kuwazaki S, Jouraku A (2017) Molecular evaluation of diamide resistance in diamondback moth (Lepidoptera: Yponomeutidae) populations using quantitative sequencing. Applied Entomology and Zoology 52, 353-357. 害虫の殺虫剤抵抗性を遺伝子情報に基づいて個体レベルで解析するための手法は多数ありますが、個体群レベルで解析するための手法は少ないのが現状です。本研究では、コナガ個体群におけるジアミド剤抵抗性遺伝子の頻度を推定するための手法を開発しました。また、抵抗性遺伝子頻度に基づき、ジアミド剤の効果を推定できる可能性を示しました。

ネギアザミウマの産雌性単為生殖系統も殺虫剤抵抗性遺伝子を持っています          Aizawa M, Watanabe T, Kumano A, Miyatake T, Sonoda S (2016) Cypermethrin resistance and reproductive types in onion thrips, Thrips tabaci (Thysanoptera: Thripidae). Journal of Pesticide Science 41, 167-170. ネギアザミウマの産雄単為生殖(産雄)系統は1988年に報告されて以来、分布域を拡大させ続けています。また同時に、本種における殺虫剤抵抗性の問題が顕在化しています。それでは、産雌単為生殖(産雌)系統は殺虫剤抵抗性を発達させることができないのでしょうか?本研究により、産雌系統にも潜在的には殺虫剤抵抗性遺伝子をもつ能力があることが明らかになりました。

カブリダニ類は食性に関わりなく花粉を利用しています                        Wari D, Yamashita J, Kishimoto H, Sonoda S* (2016) Utilization of plant food resources by phytoseiid mite species with different feeding habits. Applied Entomology and Zoology 51, 539-547. カブリダニは食性に基づいて4つのタイプ(タイプI:Tetranychusのスぺシャリスト捕食者、タイプII:ハダニ科ハダニのスペシャリスト捕食者、タイプIII:ジェネラリスト捕食者、タイプIV:ジェネラリスト捕食者/花粉食者)に分けられています。本研究により、食性の異なるミヤコカブリダニ(タイプII)、ニセラーゴカブリダニ(タイプIII)、コウズケカブリダニ(タイプIV)はいずれも、ハダニが存在している条件でも花粉を利用していることが明らかになりました。

炭酸ガスを用いたアザミウマ防除の話です                              Miyata K, Kikuchi T, Katoh H, Kagawa K, Sonoda S*, Murai T (2016) Lethal effects of concentrated CO2 on adult females and eggs of Frankliniella occidentalis and Frankliniella intonsa (Thysanoptera: Thripidae) at a high temperature. Applied Entomology and Zoology 51, 441-444. 定植前のイチゴ苗を高濃度の炭酸ガスで処理することで、付着したハダニを死滅させ、本圃への侵入を防ぐ手法が実用化されています。この手法はアザミウマ類に対しても有効であることが、我々の先行研究で明らかにされています。本研究では、高温条件で炭酸ガス処理を行うと、より処理時間が短縮できることを明らかにしました。

コナガのジアミド剤抵抗性にはリアノジン受容体のアミノ酸変異が関与 していることを明らかにしました                                                   Sonoda S*, Kataoka Y (2016) Genotyping for the G4946E site of ryanodine receptor gene in Plutella xylostella (Lepidoptera: Yponomeutidae) considering gene duplication. Applied Entomology and Zoology 51, 195-204. 本研究では、室内で飼育および野外で採集されたコナガのジアミド剤抵抗性に対する抵抗性レベルを調べました。また、ジアミド剤抵抗性の原因とされるリアノジン受容体のアミノ酸変異の有無を個体ごとに調べました。その結果、抵抗性系統にはアミノ酸変異を持つ個体がより多く含まれていることが明らかになりました。

* :責任著者