トマトが持つトマトモザイクウイルス(ToMV)に対する抵抗性遺伝子の中で、最も強力でよく使われている遺伝子がTm-22です。近年、世界や日本の各地でこの遺伝子を打破するToMVが発生して問題になっています。
我々は熊本県で見つかったToMVを使って、抵抗性打破に関与するウイルス因子の特定と打破のメカニズムを解析しました。研究成果がVirus Genesに掲載されました。
本研究は主に卒業生が学生の時に行った研究成果をまとめたものです。ToMVは感染した植物の葉を触ったり水やりの水で伝染するので扱いがちょっと面倒ですが、注意しながら研究し立派な成果が出たと思います。
また、最近開発された立体構造予測プログラムを使い、ウイルス因子と宿主因子の相互作用時の立体構造の変化を調べました。こういう図を見ていると今流行りの(?)メタバースの世界に入り込んだ錯覚に陥ります(メタバースに入ったことないですが)。ウイルスには目がないけどこういう感じの世界を見ているのでしょうかね?興味のある方はSupplementary file 1(無料)をご覧ください。(西川)